大川筋武家屋敷(旧手嶋家)資料館   (高知市所管施設)


主屋全体
主屋全体

「概要」

 山内一豊に従って、掛川から土佐に入国してきた旧手嶋家の住宅資料館です。こうした人々は、土佐藩では上士という位で呼ばれ、郷士との身分の差は歴然としていました。

 手嶋家は家禄が二百五十石で、上士の中では中くらいの武士です。屋敷地は、もとはもっと広く、畑を作って野菜を自給していたと思われますが、明治維新以降持ち主も変わり、今の面積になりました。

 復原工事は、限られた敷地の中でできるだけ藩政末期の形態に近づけることを目標として進められ、平成十年に完成しました。


長屋門と小窓
長屋門と小窓

 

「全体の造り」 

 屋敷の南側の道路に面して長屋門があり、ここから屋敷に出入りします。 

 長屋門には三畳の部屋が四つあり、この屋敷の使用人が暮らしていました。屋根には鬼瓦をあしらっています。もとの水路を再現するために、一メートル北寄りに復元されています。

門の両脇の二部屋には、突き上げ式の小窓が設けられていて、公道に面しているため、防御的な造りになっています。この小窓から来客を確認していたのでしょう。

 

 


軒瓦の刻印
軒瓦の刻印

長屋門を入り、軒瓦付きの塀に沿って、大きなソテツの木を横目に主屋に向か います。

軒瓦には製造元を示す刻印があり、アキ、手結、夜須など、高知県東部の製造元と思われる文字が多く見られます。

主屋の屋根にも長屋門と同じ鬼瓦がのっています。

主屋平面図
主屋平面図

座敷
座敷

「主屋内部」

<座敷>

 主屋正面の玄関の間の西側には、二畳ほどの小さな部屋を挟んで座敷があります。

 この座敷は武家住宅の典型的な造りで、付け書院や畳敷きの床、外光を取り入れた建具類などが特徴で、現代の住宅に引き継がれている部分の多い様式です。

 座敷の軒は木の薄板を重ねたこけら葺きになっています。これは瓦が普及するまでに使われていた手法ですが、瓦を使うようになってからもその美しさから座敷などで使われています。

くぐり戸
くぐり戸

<くぐり戸>

 主屋内の東側と北側には家人が日常的に使用する部屋が並んでおり、接客用の空間と日常使用の空間を分ける工夫のひとつと思われるくぐり戸が二箇所にあります。

井戸
井戸

<井戸>

 主屋の外の西奥には井戸があります。この井戸は以前に住んでいた方への聞き取り調査をもとに造ったものです。


説明文は高知市教育委員会作成のパンフレットから引用


(クリック拡大)
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所 在 地 高知市大川筋2-2-15

休 館 日 水曜日、年末年始

開館時間 9:0017:00

入 場 料 無料

駐 車 場 数台可